さよなら父さん。
さようなら。なんだか実感がわかない。父が死んでからもう40年近く経った。自殺という手法で死にやがったので、息子としては大変な思いをした。ぼくは十字架を背負っているのだ。決して自殺することのできないこの身。どんなことがあっても、忍従と怠惰の世界に埋没しても、ぼくは自分でその断罪を下せない。これはある意味、とても辛く厳しいことだ。だが、そうあっても、ぼくはなんてことはなかった。この世界に本があったからだ。それがなければぼくの生きている意味すら無くなりそうだ。というわけで有りまして、ほの明るい空を見ています。父さんさようなら。